2020.06.01

心とカラダを育てる食卓 vol.11 毎日チャージ!成長期には「鉄」を摂ろう

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子ども向けレシピやコラム、イベントやメディア出演を通じて、様々な食育活動を行う管理栄養士で上級食育アドバイザーの板垣好恵さんが、子どもの心とカラダを健やかに育む食体験の大切さをお伝えします。
親子で味わいたい「うまみレシピ」もご紹介。ぜひ親子でお試しください!
子どもに鉄不足のイメージはあまりないかもしれませんが、成長期は血液や筋肉量が増えることで毎日たくさんの鉄が消費されています。子どもにとって鉄は不足しないよう注意したい栄養素のひとつです。今回は「鉄」をテーマに、カラダへの働きや上手な摂りかたをご紹介します。
鉄はヘモグロビンの材料となり「血液をつくる」栄養素です。
血液は全身に酸素を運ぶ役割があることから、鉄が不足するとカラダに十分な酸素が供給できず「貧血」になります。脳が酸欠状態になることで知能や認識力、集中力の低下がおき、さらに鉄はコラーゲンの合成にも関わることから、骨の成長(身長の伸び)にも影響するといわれています。子どもが鉄を摂ることは、脳の正常な働きや、カラダの発達にも重要なのです。
貧血ときくと、フラフラしたり、顔が青白くなるなどを思い浮かべるかもしれませんが、カラダが酸欠状態になるとさまざまな不調が出てきます。

・朝の目覚めが悪くて起きられない
・疲れやすい、だるい、やる気がでない
・集中力が続かない
・落ち込みやすい、気分のアップダウンがはげしい

このような症状は一見「ただ疲れているだけ」と見逃しがちですが、実は鉄不足のサインかも。貧血はカラダの不調だけでなく、メンタルにも影響します。子どもがコンディションよく過ごせるよう、しっかりと鉄を補い元気をチャージしましょう。
鉄は汗や尿からも体外へ出てしまうため、運動習慣のある子どもはもちろん、汗をかきやすいこれからの季節は特に意識して摂ることが大切です。
鉄を摂るときの大事なポイントは「吸収率」。食べ物に含まれる2種類の鉄を比べてみましょう。

①ヘム鉄
動物性食品に含まれる鉄。赤身の肉や魚、レバー、貝類などに多い。
吸収率→25%

②非ヘム鉄
植物性食品に含まれる鉄。青菜、大豆食品、海藻などに多い。
(動物性ですが卵と乳製品も非ヘム鉄に分類されます)
吸収率→3~5%

ヘム鉄(動物性)は吸収率25%に対して、非ヘム鉄(植物性)は3~5%と、その差は5倍以上!鉄というとほうれん草をイメージしがちですが、効率的に摂るには吸収されやすい動物性食品のヘム鉄」がベターだと覚えておいてくださいね。
ちなみに吸収率の低い非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCとあわせて摂ることで吸収率がUPします。青菜のソテーには卵やツナなどのたんぱく質食材を追加したり、レモン汁をしぼってビタミンCをプラスするだけでも効率よく鉄が補えますよ。
鉄が豊富で、日常的に使いやすい食材をご紹介します。
肉類では、炒め物や煮物などいろいろな料理に使いやすい「牛や豚のこま切れ肉(赤身)」がおススメ。小さなお子さんは、牛ひき肉(合い挽きでもOK)で肉団子やそぼろなども食べやすいですね。
魚介類は、刺身なら赤身の多いまぐろやかつおを選んで。生魚が食べられないお子さんには、ソテーして軽く味付けしてあげましょう。焼き魚もよいですが、鮭フレークやツナ缶も手軽に鉄が摂れます。あさりやしじみはみそ汁にON!貝類は安いときにまとめて買って、冷凍ストックしておくのがおススメです。
最後に、飲み物について。緑茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げる性質があります。食事中は麦茶や水を飲むようにしましょう。
鉄=元気をつくる栄養素です。成長期の発達をサポートし、子どもがコンディションよく日々を過ごせるよう、鉄の摂取を心がけてみてくださいね。
さまざまな素材に含まれるうまみをかけ合わせた、親子で一緒においしさを味わえるレシピをご紹介します。うまみの相乗効果の活用で、塩分控えめでも満足感はバッチリ!おとなの健康維持にもおすすめなヘルシーレシピです。

サバ缶と彩野菜のマリネ


野菜のうまみ「グルタミン酸」×サバのうまみ「グアニル酸」でうまみUP!
サバ缶を使ってお手軽に栄養をON♪味付けは白だしで深みを出して、見た目も鮮やかな和風マリネです。
小さなお子さんが食べる場合、玉ねぎはレンジ加熱して辛味を抜いてあげてくださいね。

<材料:2人分>
サバ水煮缶 1/2缶(100g)
黄パプリカ 1/8個
紫玉ねぎ 1/8個
ミニトマト 4個
(a)白だし 小さじ2
(a)酢 小さじ2
(a)オリーブオイル 小さじ1
貝割れ菜 適量
<作り方>
①サバ水煮缶は水気を切りひと口大に切る。黄パプリカは細切り、紫玉ねぎは薄切り、ミニトマトは縦4等分に切る。

②ボウルに(a)を混ぜ合わせ、①を加えて和え、冷蔵庫で30分程おく。

③器に盛り付け、貝割れ菜をちらす。
板垣好恵 プロフィール

管理栄養士/上級食育アドバイザー
「心とカラダを豊かにする食育」をテーマに、レシピ開発や栄養情報の発信、保育園の献立作成など食育活動に従事。SNSでは「こどもごはんのプロ」としてこどもの体調やメンタルがととのう子育てレシピを紹介しており、Instagramフォロワー数は3万人を超える。
栄養士や料理家を集めた食の専門家ユニットFoodRingの代表を務め、企業向けコンテンツ制作も行っている。

◆食の専門家ユニットFoodRing
https://foodring.jp/

◆Instagram(子育てレシピ)
https://www.instagram.com/yoshie_shokuiku/
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